グループ法人税務の失敗事例55
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グループ法人税務の失敗事例55

公認会計士が見つけた!(本当は怖い)グループ法人税務の失敗事例55

事例55連結欠損金の繰越

平成22年度の税制改正により連結納税制度で の繰越欠損金の持込制限が緩和されたため連結納 税制度を選択しましたが、子会社Aの業績が改善 し、所得が発生したにもかかわらず子会社Aの欠 損金は使用する事なく期限切れとなってしまいま した。

失敗のポイント

次のようなケースでは連結納税制度の適用によ り、子会社Aの繰越欠損金が切り捨てられてしまい、 連結納税制度を適用しなかった場合に比べ税負担が 増えてしまう可能性があります。
連結欠損金の繰越
 
連結欠損金
 

正しい対応

連結納税の導入にあたっては、グループ 全体・各社での利益計画や株式・不動産の 譲渡予定、過去の欠損金の発生年度、損益 通算と繰越欠損金の使用順序などをしっか り検討したうえで将来のタックスプランニ ングを行う必要があります。  例1の場合は、子会社Aの欠損金は使用 できませんが、単体納税を継続した場合は X3年度で子会社Aの欠損金は使用できます が課税が発生してしまうため、その後の所 得の発生によりますが連結納税を選択する 方が有利な判断とも言えます。  例2の場合は、X3年度は発生した所得と 損失を通算すると連結所得は発生せず、X4 年度では親会社で発生した所得については、 子会社Aの欠損金は使用できません。事前 の利益計画で本ケースのような所得推移が 明らかであるならば、X4年度以降に連結納 税制度を選択することも考えられます。

税法等の解説

 連結親法人の各連結事業年度開始の日前7年以内に開始した連結事業年 度において生じた連結欠損金額がある場合には、当該連結欠損金額に相当 する金額は、当該各連結事業年度の連結所得の計算上、損金の額に算入す るとされています。また、連結欠損金の損金算入額は当該各連結事業年度 の連結所得の範囲内に限定されており、連結所得を超える連結欠損金はそ の後の各連結事業年度の連結所得に対して繰越控除が認められます。した がって、過去7年以内に生じた連結欠損金額の合計額より連結所得金額が 少ない場合には連結欠損金額のうち古いものから順次、その連結所得の金 額に相当する金額を限度として繰越控除していきます。  また、一定の連結子法人の最初連結事業年度開始の日前7年以内に開始 した各事業年度において生じた欠損金額は、連結欠損金額とみなされ、当 該連結子法人の個別所得金額を限度として、損金の額に算入することがで きるようになりましたが、こちらも古いものから順次、繰越控除していく こととなります(法法81の9①一イ②一イ)。  したがって、連結納税制度の導入にあたっては、グループ各社の利益計 画と繰越欠損金の発生年度をもとに、連結納税制度を適用後の税負担を しっかり検証する必要があります。